今回は即身仏が多い県はどこなのか?という疑問とその県で多い理由について調査してみました。
即身仏が多い県はどこ?
即身仏が多い県は、山形県です。日本全国で発見されている即身仏は20体前後ありますが、そのうち半数に近い8体が山形県で拝観・見られます。山形県には数多くの寺院や宗教施設がありますが、その多くが「即身仏」ゆかりの地として知られています。では、即身仏は山形になぜ多いのか理由と、山形で拝観・観光できる即身仏のあるお寺をまとめました。
山形県にある即身仏は?
日本には20体ほどの即身仏が祀られていますが、多くは山形県のお寺で管理されています。山形県にある即身仏は合計で8体となり約40%の即身仏が拝観・見れることとなり即身仏が多い県であることが分かります。しかし同じ山形県でも鶴岡市や酒田と米沢などと各即身仏の場所は離れていたり、山奥にあったりと車などでの移動は必須となります。
即身仏が山形県に多い理由はなぜ?
そして注目なのが、山形県にある即身仏の名前に全て「海」の漢字が含まれているのが特徴です。即身仏の名に海が名前に含まれている理由は、開山した弘法大師・空海からの名前から海の名を取り決めたと言われています。山形県は県名に「山」が含まれていますが、その由来の通り山が多くあります。山修行をするために山形の地形が適していたのです。
その中で山の一つで出羽三山(でわさんざん)がありこちらの湯殿山が即身仏の信仰として根強い関係があるとされています。出羽三山とは、修験道やパワースポットとして人気もあり、山形県村山地方・庄内地方に広がる月山・羽黒山・湯殿山と3つの火山の総称となります。そのために、山形県に即身仏が集中していた。というのが理由となります。六十里越街道沿いにはお寺は3つあり即身仏が祀られています。現在も湯殿山信仰の面影を感じることができ歴史好きの方に人気スポットとなっています。
未来の世を表す山と言われる出羽三山
羽黒山:人々の現世利益を叶える現在の山
月山:その高く秀麗な姿から祖霊が鎮まる過去の山
湯殿山:お湯の湧き出る赤色の巨岩が新しい生命の誕生を表す未来の山
出羽三山は羽黒山・月山・湯殿山の3つを山を示す総称でしたが、各山は上記のように現在・過去・未来を示していると言われています。そのことから、3つの山を登ることは「生まれ変わりの旅」などとも言われ、未来の世を表す山としての別名もあります。
湯殿山の即身仏(ミイラ仏)について
山形県にある湯殿山は修験道とされ、即身仏の信仰の聖地のひとつで山岳信仰が盛んであり衆生救済を願い山修行を行う僧侶が多くいました。自然の山での修行を1000日行うなど、飢えや寒さもとてもきつく、修行内容はとても過酷なものでした。
途中で修行失敗してしまう人も多発していました。それでも湯殿山の伽藍(がらん)には、仏教徒であり死後に悟りを開くとされる即身仏となる選択をした僧侶がいました。
まとめ
即身仏が多い県は山形県でした。山形県になぜ即身仏が多いかの理由は、地域性にあり山が多く開山で多くの僧侶が出羽三山で厳しい1000日行などの修行をおこなっていました。その修業をした地で入定し、即身仏となることを決意した僧侶が多く、お寺に現在でもまつれられ続けるために、山形県に多いといえるようです。